2008.07.12

iPhone発売の日に寄せて:ケイタイからネットに接続するコワサを改めて

iPhone 3Gが発売され、日本各地で売り切れになったようだ。こうしたガジェットが生まれて広まることはまあ喜ばしい。ただしやはりまだ過渡期であり、料金は高いと思うけれど。

それはそれとして、有害情報規制とも実は繋がっているらしい、携帯電話契約者固有ID(個体識別番号)送信について、ぜひ下記の文章を読んでいただきたい。要は、現在日本の携帯電話からウェブサーバーに接続すると、その時契約者固有IDを送信するようになってしまっている、という話である。

日本のインターネットが終了する日(高木浩光@自宅の日記)

技術的な内容を含むので、ネットワークについて詳しくない場合はすんなりとは読めないかも知れないが、その場合は最低でも以下の節には目を通して欲しい。

・契約者固有ID送信時代の安全なケータイWeb利用リテラシ
・補足
で、iPhoneなんだが、ソフトバンクであるということは、やはり契約者固有IDは簡単には変更できないという仕様なのではないだろうか? うかつにネットにアクセスできないとすると、iPhoneの魅力も激減するのではなかろうか。ゲーム機&音楽プレーヤーとして使えばいいのかも知れないが。

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F. Paul Wilson : Jack: Secret Histories

毎年秋に新刊が出続けている、F・ポール・ウィルソンの"始末屋ジャック"シリーズだが、この度番外編が出た。並の番外編ではない。なんとウィルソン初のヤング・アダルトものだという。読んでびっくり! なんと登場するジャックがヤングアダルトな年頃なのだ!!!

なんとびっくり、ここに登場するジャックはハイスクール入学を控えたお年頃なのだ。
それだけで、本編をお読みの方ならお分かりだろう。こりゃ大変だ!

もちろんジュブナイルなので、文章も割合シンプルで、1983年のアメリカならではののどかな舞台ではある。とはいえ、ジュブナイルではありつつも、やはりウィルソンの作品世界全体に組み込まれた「秘密の歴史」のお話なので、それなりにハラハラドキドキ、ちょっと不気味。

巻末にて作者は「ジャックの物語は16〜7冊になる見込み(ヤングアダルトを除いて)」であることと、Secret History Of The Worldの物語は「大幅に改訂されるNightworldで完結する」とのコメントを書いている。

ジャックシリーズは最新刊の「Bloodline」で10作となっており、今年の秋には新作「By the Sword」が出る予定。まだ6年くらいは続く見込みらしい。


Jack: Secret Histories (Repairman Jack Novels)
Jack: Secret Histories (Repairman Jack Novels) (ハードカバー)

F. Paul Wilson (著)





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2008.07.10

文化庁の物言いが面白すぎる

“iPod課金”議論、振り出しに 権利者とJEITA、小委員会で激論(IT Media)

 文化庁の川瀬室長は、暗礁に乗り上げた議論を見て「困った。いったいどうすればいいのか」と頭を抱える。
最後まで読んできて、この部分でいきなり脱力(笑)。自業自得だろうに・・・。

そもそも、私的録音録画小委員会では、補償金のあり方について根本的な見直しを含め議論するはずだった。それを一貫してミスリードして来たのは文化庁なのである。この当然の状況を見て「困った」とは何たる物言いか。当事者意識がないのだろうか。それとも、単に自分達の思い通りにならない場合はすぐさま途方に暮れてしまうとでもいうのだろうか?

「パンドラの箱を開けてしまったようだ」,大荒れの私的録音録画小委員会(TechOn)

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2008.07.05

レコミュニが突然の大リニューアル!!!

心底驚きました! 音楽SNSとしては古参のレコミュニが突然大々的にリニューアルしました。そしてまずはこちらも突然の東京アンダーグラウンド特集が組まれています。

ニュースリリースから紹介すると、

20080702版 (31アルバム 247曲)


今週は、 東京アンダーグラウンドシーンの音(オン)パレード!!! まずHip-Hopシーンからは、 "SHINGO2"との共演で一躍話題となった"Eccy"が主宰する「Slye Records
からの配信ラッシュです! Eccy特有の空間を感じるようなダークなトラックにのせて、
才能あふれる若きアーティストのリリックが絡み合う新次元ミュージック!! 次にパンク・ハードコアシーンからは、
時代の流れに飲まれず独自のスタンスで15年もぶっ飛んだバンドを紹介しつづけるレーベル、 「Less Than TV」のスプリット2枚が到着っ!
"DEEPSLAUTER"、 "SHIFT"、 "TIALA"、 "DODDODO"、 "Limited Express(has gone?)"というイイ意味でデタラメ(笑)なラインナップをみれば、 もはや何も言えまい。怖いものナシっ! そして[カフェ音楽シーン]アーティストが集結したコンピ「DUKES AND BIRDS」は、 コーヒーを飲みながらリラックスしつつ、 ちょっとウキウキしたりおセンチになったりできる名盤。そんでもって、 ベテラン勢も、 がんばっております。"Nirvana"に先駆けてシアトル・SUB POPを代表するバンドとして君臨するMUDHONEYが結成20年目の傑作リリース。ちょっとおバカでシニカルなガレージパンクは健在! 改めてカッコイイっす! そして日本のパンク兄貴、 "SA"も忘れちゃいけません。暑苦しいほど男臭い力強くポップな一枚! レッツ・シンガロング! 他にもここで紹介しきれない程名盤が満載。はあ、 おなかいっぱい...

実際の話、レコミュニって(今は静かですが・・・(笑))本当に音楽好きな人がいっぱいな場所なので、みんなもっと自分のために使って遊べばいいのに、と思います。

書いていて思い出したのですが、mf247はPC向けサービスを縮小して、モバイル向けに特化してしまうのですよね。

【重要】mF247 PC版サービス一部廃止のお知らせ

アーティストとネット流通の関係はどんどん進化してきていて、やはり最後は「如何にして自分の音楽に興味を持ってもらうか?」というアテンションの問題に収束しつつあるように思えます。リスナーからすれば「自分がいいと思える音楽をどうやって見つければいいのか?」という悩みとなります。だからファンによる紹介・レコメンドにフォーカスしたレコミュニは、素晴らしく先見の明があったと思うのですよね。そして先行者であるがゆえに悩みも多い、と(笑)。

まずはリニューアルの機会に、改めて覗いてみてはどうでしょうか。

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2008.06.28

Julia Marcell:売切れのEP「Storm」を7/2一日限り無料ダウンロード

Sellabandからのフルアルバムを出したばかりのポーランドの女性シンガーソングライターJulia Marcellですが、来る7/2は彼女がSellabandに登録してからの1周年となります。これを記念して、すでに売切れとなっている自主制作EP「Storm」のMP3を一日限りフリーダウンロード開放するとのことです。

Sellabandで$50000を達成するにあたって、Juliaがその時自作として紹介したのはこのEPからの3曲だけでした。3曲の魅力で$50000集めてしまったわけで、やはり飛び抜けた個性を発揮していたということですね。



http://www.juliamarcell.com/en/

Jun 23 2008 - One year on Sellaband, get free "Storm EP" download.

On July 2nd I'll be exactly ONE YEAR ON SELLABAND! I'm preparing
something special for you especially for that occasion: for the whole
day of July 2nd my long-time-ago-sold-out EP "Storm" will be available for free download as mp3s. But only for one day!



For those who have "Storm" already or just simply like surprises, I'm preparing something else too.



Drop by on 2nd of July!

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2008.06.25

要は海外文学豊穣の時代なのか

大きめの書店に行って海外文学の棚を眺めてみると、こちらも随分興味深いものが並んでいる。前回はちょっとだけ気になったSFジャンルの本について書き留めておいたのだが、気がつけばSFのみならず、文学ジャンルでも豊穣の時代を迎えているような気がしてきた。

緑のヴェール
緑のヴェール
 ジェフリー・フォード (著)
「白い果実」「記憶の書」に続く3部作完結編。幻想的というか寓話的というか、ファンタジーのようでもあり、SFのようでもある物語。なかなか一筋縄ではいかない作者なのであります。

白い果実記憶の書
白い果実
 ジェフリー フォード (著)
記憶の書 ジェフリー・フォード (著)

歌姫コンシュエロ 上 愛と冒険の旅 (ジョルジュ・サンドセレクション 3)歌姫コンシュエロ 下 愛と冒険の旅 (ジョルジュ・サンドセレクション 4)
歌姫コンシュエロ 上 愛と冒険の旅 (ジョルジュ・サンドセレクション 3)
歌姫コンシュエロ 下 愛と冒険の旅 (ジョルジュ・サンドセレクション 4)
全9巻+別冊1で刊行されるジョルジュ・サンドセレクションもいよいよ大詰め。書簡集以外の小説8冊はこれで出揃った。これまで未訳の作品を中心に選ばれた作品が大半を占めている。本作はショパンとの交流を元に生み出された、女性声楽家を主人公とした作品で、実はサンドの最重要作だという。「愛の妖精」だけが紹介されてきたサンドの作家像を大きく変えるセレクションだと思う。

私は、第一回配本分だったセレクション2の「
スピリディオン—物欲の世界から精神性の世界へ ジョルジュ・サンドセレクション 2」をなにげなく読んでぶっとんで以来このシリーズは続けて購入している。豊かな物語性と寓話性をもつ作品が多く、実に味わい深いのである。


アブサロム、アブサロム!(世界文学全集1-9)
アブサロム、アブサロム!(世界文学全集1-9) ウィリアム・フォークナー (著)
実はしばらく前にヘンリー・ジェイムスを読んでみたら、これが思いのほか面白く、せっかくなので改めてフォークナーも読んでみようかと「Sound And Fury」とか「Absalom, Absalom!」などを原書で買ってみたのであった。特に「難解」と言われるフォークナーという作家はどういう英語を書いたのか、実際に確認してみたい、という思いが強かったのだが・・・。筒井康隆がエッセイで、「アブサロム、アブサロム!」が日本で出たときすごいすごいと夢中で読んだ、と書いていたのもずっと気になっていた。

一度は絶滅したと信じられていた世界文学全集という形の出版物が、つい最近息を吹き返しているという現象も興味深い。何かの雑誌で「読んでびっくりのトンデモ小説!」と絶賛されていたのが次に紹介する「巨匠とマルガリータ」。

巨匠とマルガリータ (世界文学全集 1-5) (世界文学全集 1-5) (世界文学全集 1-5)
巨匠とマルガリータ (世界文学全集 1-5) ミハイル・A・ブルガーコフ (著)

SF、ミステリ、コミック、演劇、さまざまなジャンルの魅力が混淆するシュールでリアルな大長編。ローリング・ストーンズ「悪魔を憐れむ歌」にインスピレーションを与え、20世紀最高のロシア語文学と評される究極の奇想小説
いや、まずもって私は「奇想小説」と言われただけで手が伸びてしまう方だし、実はずっと昔から翻訳が存在していたこの小説を知らなかったというのも負い目になり、これは読まねば!、とちょっと張り切っているわけで・・・。

活字離れ、ケータイ小説などの潮流とは別に、「読んで飽きない、面白さ保証付き」の古典作品が改めて脚光を浴びているようにも思う。「カラマーゾフの兄弟」がせっかくヒットしたのだから、面白い小説がブームになってもいいではないか。本というのは一見高いように思えても、時間あたり単価は極めて安い娯楽でもある。間もなく来るだろう大不況時代に向けて、熱中できる作品を見つけておくのは悪い考えではないだろう。

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2008.06.24

インドネシアのバンド:The Coffee

Sellaband経由で知ったバンド、The Coffeeのビデオクリップ。とてもキュートで、音のセンスもいいと思う。もっと他の曲も聴きたいなあ・・・・。


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なぜか海外SF豊穣のこの頃

理由はよく分からないが、ここ数年海外SFの翻訳書が大豊作状態だ。それも未訳の名作、絶版の名作が目白押し。

最近のものだけちょっとピックアップしてみても・・・・

拷問者の影(新装版 新しい太陽の書1) (ハヤカワ文庫 SF ウ 6-5 新しい太陽の書 1)調停者の鉤爪(新装版 新しい太陽の書2) (ハヤカワ文庫 SF—新しい太陽の書 (1664))
拷問
者の影(新装版 新しい太陽の書1)
調停者の鉤爪(新装版 新しい太陽の書2)  ジーン・ウルフ (著)

ファンタジーという羊の皮を被った恐るべき4部作。凄い密度、凄いアイディア。


ハローサマー、グッドバイ

ハローサマー、グッドバイ マイクル・コーニイ (著)

サンリオSF文庫で出ていた名作、ようやくの復刊!


氷

アンナ・カヴァン (著)

極北のSFと言われる1作。こちらもサンリオSF文庫で出ていたもの。改訳版。


蒸気駆動の少年 [奇想コレクション] (奇想コレクション)

蒸気駆動の少年  ジョン・スラデック (著)

あまりにもマッドで、もうSFなんだかどうだか分からないくらいの特殊な天才による作品集。
当然最高なんである。

スタージョン、スラデック、ラファティなど、個人的にお気に入りの作家の本が、本当にここ数年増えてきた。こんな豊穣時代がいつまで続くか分からないから、あるうちに買っておきましょう(笑)。

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2008.06.22

日経トレンディがSellabandを紹介

私も昨年知った、ファン資金によるCD作成プロジェクトサイトSellabandがトレンディで取り上げられていました。

音楽ファンドでアーティストを直接支援するSellaBandなど“ポストレコード会社”が続々と誕生!(日経トレンディネット)

ちょっと面白いと思ったのは、恐ろしく完成度の高い見事なアルバムを出したばかりのJulia Marcellを「SellaBandからCDデビューした最も有名なアーティスト」と呼んでいる点でしょうか。こなかりゆさんについても言及されています。

過去の記事
2007.07.06
リスナー自身がレコード会社?:Sell A Bandに見る音楽ビジネスの未来
2007.10.05
Julia Marcell:ファイナル・カウントダウン!!
2007.10.24
こなかりゆ Sellabandに参入
2007.10.12
捨てられ始めるレコード会社
2007.10.31
こなかりゆ:Sellaband登録1週目にして注目を集める
2008.05.15
Julia Marcell : ニューアルバム「it might like you」リリース

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2008.06.21

新譜他 発売メモ:あぶらだこ 益田宏美

仕事にかまけてたら、リリース予定も何も全然キャッチしてなかった・・・。

あぶらだこ ニューアルバム

4年ぶりの新譜。あぶらだこ




今回もレコ発ライブはあるみたいです。
オフィシャルサイト


岩崎宏美 「誕生」「家族」「きょうだい」BOX
おお〜、ついにこの3部作も再発とは! 益田宏美時代のアルバムで、クラシック曲や子供向けの曲が中心。この時代のシングル「愛を+ワン」は私にとっての岩崎宏美オールタイムベストテンに入る名曲。


Bill Nelson新譜
http://www.billnelson.com/html/store/index.php
まあ何しろ年に数枚はアルバム作ってしまうひとなので(笑)。
ちょっと目を離すと数枚は出ているという・・・。

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«祝! TASPO崩壊!