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2004.04.23

「ポピュラー音楽理論入門」を読みながら

ここしばらくの、レコード輸入権問題を追いかける日々に、実は相当心が疲れているみたいで、けっこうへたれた。
そこで、そもそも自分は一体何がイヤで、なんのために反対しなくちゃいけないのかをもう一度考えてみることにした。

そのきっかけにでもなればと、以前ネット上ですれ違ったことのある、気鋭のポピュラー音楽研究者である増田 聡氏のサイトで紹介されていた、「ポピュラー音楽理論入門」 キース ニーガス著を読み始めた。

Amazonで注文して届いた時には、うわーボリュームがあるなあ、と思ったのだが、読み進むにつれ、「これはあくまでも概論であり入門書なのだ」ということが分かってきた。つくづくポピュラー音楽の研究とは多面的で複雑で、とらえにくいものだと思い知る。

ポピュラー音楽を作り出すのに不可欠な要素として、いわゆる音楽業界(レコード会社やメディア、プロデューサーやエンジニア等)やメディア(ラジオ、TV,ビデオ等の映像政策)も視野に入れられている。読みながら、例えばESPレーベルに記録された、例えばMIJとかERICA POMERANCEとかCROMAGNON とかのことを考えていた。そう。実際この世には、存在すること自体が不思議なレコードが存在するのだ。そしてそうしたレコードの存在に当たっては、誰かしら、いわゆる音楽業界の人間が関わっているはずなのだ。

今でこそCCCD押しつけが目立つ東芝EMIだって、例えば浅川マキのほぼ全作品をリリースしていたりする訳だし、EPICと決別して独自レーベルを立ち上げた佐野元春だってそれまではずっと同じレーベルにいたわけだし。岩崎宏美の旧譜再発を途中から進めてくれないビクターだって、DVD超初期に「Full Circle」を出してくれて今でもカタログ上生きていたりするし・・・。大大大大大キライなAvexだって、今はURCの再発してたりするし。キングレコードならばユーロロック・コレクションなんて世界にも例がない画期的な企画だし。

本来、業界と聴衆と演奏家は不可分な関係にあるはずなんですよね。特にポピュラー音楽の場合。
いや、「今まではそうだった」ということなのかも知れないのですが・・・・。

業界主導によってこの構図が崩されるのだとすれば、ポピュラー音楽の未来というのは、少なくともこれまで歴史上なかった形態にならざるを得ないはずです。それが、今以上の細分化と聴衆の分断化になるのか、はたまたネット配信やP2P通信による、まったく新しい流通を促すのか。

歴史を振り返ると、街角で歌詞を印刷した紙を歌いながら売っていた時代に、路上での演奏・販売自体を法律で禁止したこともあったとのことなので、何をしようと「音楽は死なない」ことは確かなのでしょう。

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