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2004.05.12

邦楽CD還流防止とアジアからの輸入盤

音楽関係者286名が輸入CD規制に反対声明を発表という記事で、共同声明のことを書いたばかりだが、声明に対する異議も表明されている。その中でも、検討すべきと思われるのは絵文録ことのはさんの言われている切り捨てられるアジア音楽ファンという観点だろうか。

実は私自身が今まで何人かの議員に送った意見書や、投稿したパブリックコメントで「この法案は廃案とすべきである。もしも還流防止が目的ならば、最低限それを明文化することが必要」と書いてきているのであった。私自身はどうしてそう書いたのだったか?

邦楽CD(=日本のレコード会社が原盤を持ち、海外でのプレスは日本企業からのライセンスとなるような音楽CD)を海外でも売ろうと思うと、いくつかの方法があります。一つは日本プレス盤をそのまま輸出すること。これが一番シンプルですし、今まではほとんどがそうだったのだろうと思えます。この場合、日本盤の価格は、特に中国の物価水準からすればとてつもない高額商品となり、大量販売などは見込めないでしょう。もちろん、70年代にイギリス等からの極めて高価な輸入盤を買ってた日本人はいたわけですから、それと同じと考えることは出来ますが、購買層は少数派にとどまるでしょう。

だから、アジア圏への正規ライセンス提供を低価格で行いたい、そのための保証が欲しい、というのが本当に目的なのだったら、そうしたケースのみを対象とした法案に書き変えるべきである、というのが私が書いた意見でした。この場合、当然対象は「還流CD」だけにする必要がありますから、最初の発売が日本でのものでなければ、「還流」に当たらないはずです。つまり、アジア諸国のアーティストのCDが国内版発売されていたとしても、それは輸入盤がオリジナルであり、国内版が海外ライセンスの元に発売されたものとなります。この場合の還流とは、例えば日本プレスのエルフィ・スカエシがインドネシアに輸出されるようなケースでしょうか。

私はここまで限定した内容に出来るならしろ、という提言を送りました。それが可能なのだとしたら、「法案趣旨は還流防止」という言い分が、それなりの真実だったのだろうと思えるからです。

対象を「還流」に限定できない法文だとすれば、それはやはり正しい法律ではあり得ないと考えます。
つまり、還流と同時に、各種アジアからの輸入盤だけが規制を受けるなどという事態はあってはならないものだと思います。もちろん、「中国盤の浜崎あゆみが手に入らない~」という不自由さは生まれるので、決して手放しでほめられたものではないのですが・・・・。

また私自身が書かせていただきました、日本レコード協会の声明文はこう読むの中でも、何故か「欧米諸国からの洋楽直輸入レコードが買えなくなるのではないか」という文章において、わざわざ「欧米諸国」という但し書きがついているよ?、なにこれ?、という指摘をさせていただきました。そんな狭い範囲で保証されても無意味なんですよね。だからこそ、この日本レコード協会の声明は私たちになんの安心ももたらさないどころか、反対に不安を後押しするのです。

長くなりましたが、音楽関係者の声明において、私はことのはさんの言われるような、

つまり、この「音楽関係者」は「アジア盤は禁止されてもいい」というのだ。

という解釈をしていないのです。つまり、私自身が書いて送った意見と同じく、「邦楽CD還流が問題だと主張するなら、邦楽CD還流だけを対象とした法律に書き改めよ」という意味だととらえたのです。そうすれば必然的に、「邦楽」という言葉が指す対象も具体化する必要が出てくるでしょうし。

アジア盤だけは輸入規制を受けてよい、などということは絶対ありません!!!

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Comments

丁寧なコメントをありがとうございます。
ただ、やはり問題があります。
女子十二楽坊は「Beautiful Energy」「輝煌」など、いずれも「日本版がオリジナル」となっています。したがって、法律条文からいっても「もっぱら日本で発売されるために製作」されているわけで、邦楽のくくりになると思われます。
(レコ協のゴールドディスク大賞では洋楽扱いですが)

今後、このように「日本でまず発売されるアジアンポップス」などが出てくれば、法律条文からいえば邦楽のくくりになってしまうわけです。したがって、「邦楽だからいい」とは決して言いたくないのです。

Posted by: 松永英明 | 2004.05.12 at 02:56 AM

コメントありがとうございます。

私もこの文章の中で、邦楽CDを以下のように定義しました。

邦楽CD(=日本のレコード会社が原盤を持ち、海外でのプレスは日本企業からのライセンスとなるような音楽CD)

ですから、日本オリジナルのアジアンポップスはこれに該当する、と考えています。

邦楽CDの還流だけだから問題はない、とは私も考えていません。ただ関係者が唱えてきた法案趣旨はそうした内容のはずであるから、法案趣旨が本当なのだったら法文もそれに合わせて修正し、副作用を発生させるな、というのが私の意見です。

副作用(洋楽CD一般の輸入規制)がないから主目的は正しい、ということではないのは言うまでもありません。

Posted by: MAL | 2004.05.12 at 09:44 AM

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