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2004.05.26

河野太郎氏への質問

河野太郎議員のホームページにて、ごまめの歯ぎしり メールマガジン5月25日版が掲載され、再び著作権法改正に関するQ&Aが掲載されていました。5月になってから、何度も読者からの質問に答える内容が掲載されてきています。

今までの内容にも、かなり疑問が残る点はあったのですが、今回はなぜか驚くほどに粗雑な回答だと思いました。
あまりにもだな、と思い、質問のメールを送りました。
以下、内容です。

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河野太郎様

メールマガジン、「ごまめの歯ぎしり」5月25日の内容を拝見しお便りさせていただきます。

これまでも、海外CD輸入権を巡る問題(著作権法の一部を改正する法案)につき、多くの質問についてのご回答を読ませてきていただいております。一問一答形式のご対応にはこれまで好感を持って接して参りましたが、本日の掲載内容を読み驚きました。今までの質疑応答とはかなりレベルの異なる、唐突なまでの粗雑さに呆然としつつ一言申し述べさせていただく次第です。主に25日分の内容に付き、改めて質問させていただきます。

1.税関での対応に関する回答根拠はなんですか?

「改正案の対象になるCDは、権利者から税関に届け出をしてもらって、税関にそのリストを置いておくことになるでしょうから、ちょっと待って下さいと税関職員がそのリストを確認し、リストにあれば、法が適用されます。」とのお答えがあります。

Q1.このお答えの根拠はなんでしょうか? 法文上のどの部分が、「権利者から税関に届け出をしてもらって、税関にそのリストを置いておくことになる」というお答えの根拠になっているのでしょうか?

Q2.なぜリストにあるだけで法が適用されるのですか?

「リストにあれば、法が適用されます」とのぶ分ですが、これはなぜそう言い切れるのでしょうか? 個人用はそもそも法の耐障害のはずです。「頒布目的である」ことをどのようにして判断するでしょうか。法文上のどの部分から「同じCDを十枚も持っていれば」とのご判断が下されたのでしょうか? おみやげをあげたい友人は10人以下である必要があるということですか?

2.アマゾン、HMVでの購入に関する質問・回答の食い違いについて

質問と答えが全く噛み合っていません。
「私個人はアマゾンやHMVで日本では廃盤になってしまったアルバム、日本ではまだ発売していないアルバム、日本では 発売しているのだけれど CCCDで 音質が悪くCDプレーヤーで再生できないものなどを購入しております」という質問文は、当然ながら「Amazon.co.jp」のことであり、また日本国内各所に店舗として存在するHMVまたは「hmv.co.jp」のことであると考えられます。

Q3.「輸入盤販売店舗でCDが買えなくなるなんて、そんな法律改正は許せない」との意見に対して、なぜ「個人が購入するCDに対してはこの改正案は適用されません。」というまったく見当違いのお答えを返されているのでしょうか?

Q4.回答内容にある「個人が購入するCDに対してはこの改正案は適用されません。」とのお答えは、法案のどの部分を根拠に述べられているものでしょうか?

Q5.「個人が購入するCDに対してはこの改正案は適用されません」との内容が真実であるならば、日本の小売店が対象としている顧客はまずほとんどが個人であると考えられます。この回答内容は、つまりは「個人が購入するためのCDは一切法案の対象外である」とおっしゃっているのでしょうか? その場合、輸入規制を行う法律を制定するが、その法律はごく一部の例外を除き適用することはほとんどない、という意味になるかと思います。


3.日本発売がないCDの扱いについて

Q6.「輸入する時にこの法が適用されていないCDに関しては、その後の在庫も販売も自由です。」との回答があります。これは法文のどの部分を適用した場合でしょうか。この回答の根拠を教えて下さい。

Q7.また別の回答にて、「当局が輸入禁止措置が取られた以降に輸入されたものだと立証できない限り、違法在庫ではありません」との内容があります。この中で述べられている当局の立証責任に関するお答えは、法文のどの部分を適用したものでしょうか?

4.「情を知って」いるとされる要件について

Q8.「今、手に取っているCDそのものがこの法の適用を受けるかどうか判断できるということが「情を知って」ということですので、日本販売禁止という表示が必要です。テレビコマーシャルでこのCDは日本の販売禁止だと流したり、内容証明郵便で業者に通知しただけでは、要件を満たしません」との回答があります。特に最後に、「要件を満たしません」との文言がありますが、これは法文上のどの要件をどのように満たしていないのでしょうか?

5.全体的な質問 および今までの経緯を含む質問

Q9.河野様は、これから審議されようとしている著作権法の一部を改正する法案につき、現在の法案(実際の法律条文)が法案趣旨に添ったものであるとお考えでしょうか?

Q10.河野様は、私からの本質問以外にも、多数の問い合わせ・意見表明・質問を受けられていると予想します。一般市民から多くの疑問が投げかけられる現在の法案文が、法案趣旨を達成するための法律条文として、これ以上改良の余地もないほど完全なものであるとお考えなのでしょうか?

Q11.賠償責任は大臣が負う、ということで間違いありませんか?

平成十六年五月六日提出 質問第八八号 「今国会提出の著作権法の一部を改正する法律案に於ける実務の取り扱いに関する質問主意書」提出者 奥田 建 川内博史 という文書があります。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a159088.htm

これに対し文化庁は、
「このように国会に提出している法律案について、当該法律案の所管省庁が了知している事実を説明する行為が、直ちに国家賠償法上の責任を負うべき行為と判断されることはないものと考える」との答弁を返しています。つまり、所轄省庁が国会で答弁した内容がどうであれ、国家賠償責任を負うものではない、との回答です。

さて、河野様は5月20日のメールマガジンにおいて、法の運用について大臣答弁で担保するとの内容を公開されております。
これは、大臣答弁が行われたことをもって、民間事業者の輸入行為を担保する、という意味であると考えられます。すなわち、省庁は国家賠償責任を負わないが、大臣が国家賠償責任を負う、と理解して良いでしょうか?
それとも、国家賠償ではなく、大臣個人が賠償責任を負う、と理解するべきでしょうか?

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長くなりましたが、是非とも明快なご回答をいただけますようお願い致します。
私個人は、邦楽CD還流防止に関しては許容できる内容であると考えている者ですが、法律文章があまりに法案設立趣旨と懸け離れてしまっていることから、今回の著作権法改正自体に反対せざるを得ない状況になってしまっております。
法案趣旨にありますように、日本文化を世界に向けて発信する、という目的のためには、少しでも誤解の余地を減らし、また意図しなかった権利者の不当行為を防ぐ法案とすべきと考えています。そうした点からも、衆議院での論議に於かれましては、現在の法案よりもより正しい運用が期待できるよう、文言の修正が行われることを強く要望致します。

これからの河野様のご活躍をお祈りしつつ、筆を置かせていただきます。
よろしくお願い致します。

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