Winny摘発の不当性と将来をつらつらと思ふ
関連HP運営者宅を捜索に見られるように、警察ではWinnyというソフトウェアの使用方法や技術的なサポート記事を掲載していたサイトの運営者のところに家宅捜索を行っています。ここまで来ると、明らかに人権侵害に踏み込んでいます。思想・表現の自由を保障する基本的人権を踏みにじっています。こういうのを権力の横暴と言うのでしょう。
P2Pファイル共有ソフト総合情報サイトというサイトもありましたが、全てのコンテンツを消去したようです。その他、どのようなサイトが今まで存在していて、今どうなっているのかについては、we all DOWNLOADなどである程度分かりました。
これからどうなっていくのだろうか、と考えつつ、名前は知りつつも試したことのなかったFreenetについてちょっと真面目に調べてみた。このソフトは、インターネット上で匿名性を保ちつつコンテンツを公開する方法を実現するために開発されたものである。つまり、恒久的な言論の自由を確保するためのものである。これは、どんな思想や意見であろうと制限してはならない、という思想に基づくものである。
WinnyもFreenetを参考にしながら開発されたという。匿名性については草分けのソフトウェアなのだ。
ただ、Freenetはファイル共有ソフトではない。そうした機能も持ってはいるが、言論の自由を確保するためのものなのだ。
匿名性を確保できるコミュニケーションツールって、今どうなっているんだろうと少し調べてみると、Zeropaid.comというなかなか凄い名前のサイトを見つけた(笑)。なるほど。こういうサイトが存在しているから、P2Pというと著作権侵害、って短絡回路が育っちゃうんですね(笑)。それでも様々なソフトが紹介されているので、匿名性を実現したものってあるのかどうかを見てみた。非常に少数であった。これは少し意外だった。
匿名性を指向しているソフトウェアとしては、WASTE、MUTE、Freenetなどくらいである。一つ、まだ生まれたばかりのようだがI2Pというソフトを知った。個人的には、このソフトが成長していってくれることを望みたい。
I2PはインターネットのTCP/IP網上に、匿名性を確保したネットワークを構築するソフトらしい。それも、単にVPN的にトンネル構築するのではないようだ。I2Pで公開されるサーバーは、「IPアドレスでは到達出来ない」。サーバー側はアクセスしてくるクライアントのアドレスが分からないし、クライアントもサーバーのアドレスを知ることが出来ない。またこの機能は特定のアプリケーションに制限されるものではない。
例えば自分のマシンにI2Pのルーターを構築する。その上で、自分のマシンでHTTPサーバーを動かす。HTTPサーバーとI2Pネットの間で鍵ペアを交換し、HTTPサーバーがI2Pネットワークに接続できるようにする、という感じになるようだ。そしてI2Pは、ほとんどのインターネットクライアントに透過的なトンネルを提供できるという。
今のところはまだ実験的なリリースのようだが、いずれインターネット上の匿名性は、現在よりも数段進むだろう。現在Freenetを使用しているユーザーも、I2Pが安定したら、Freenetの機能を完全に包含した理想的なものになるだろうとコメントしている。
言論の自由は基本的人権であり、著作権ごときのために侵害されることなどあってはならない。
Winny作者逮捕、そして関連ウェブサイトへの捜索など、権力も財力もない個人をねらい打ちにした警察の行動は非難されてしかるべきだろう。
そして最悪の時代に備えて、一般市民は自分たちの人権を守るための道具を用意しておく必要があるだろう。
それなくしては、中東の実情も、アフリカ、ラテンアメリカの実情も、私たちは知るすべを失ってしまう危険があるのだ。いや、国内の現実についても、ほんの身の回りのことすら知ることが出来なくなってしまうかも知れないのだ。
備えあれば憂いなし。
(2004.05.14追記)
しまった。GNUnetについて触れるのを漏らしていました。こちらは、かの有名なGNUプロジェクトにおける、検閲に対抗できるP2P通信フレームワークだそうです。つまり、まだいきなり誰でも使えるアプリケーションではない、ということですね。
こうして改めて調べてみると、どうもWinnyというソフトは、世界でもあまり相当するものが他にない、孤高のソフトだったらしいことが分かってきます。うーん、これってやっぱりもったいない部分が相当あるんでは?
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