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2 posts from February 2005

2005.02.04

還流盤輸入禁止認定第一号

ついに、税関で輸入差し止めが行われる邦楽還流盤が現実に登場しました。ここ1~2日の間に認定されたものと思われます。

知的財産権の輸入差止申立情報 税関

認定第一号は、エイベックスからのEXILE「SINGLE BEST」です。
差し止め対象国は「台湾・香港・シンガポール」です。

要件を満たすための条件が多いことから、そう簡単には認定されるタイトルは出てこないのではないか、と考えたこともありましたが、実際に止められてしまうCDが生まれてしまいました。

日本レコード協会が発表した輸入差止申立に係る対象レコードリスト(2005年1月31日現在)に含まれていたタイトルが、およそ半月で1件は認定された、ということになります。リストも更新され、「受理済み」というステータスになっています。

他のタイトルが果たして認定されるかどうかも気になりますが、それよりも、対象国となった「台湾・香港・シンガポール」からの一般輸入CDの流通に悪影響が出ないかどうかの方が個人的には気になります

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2005.02.03

レコードは誰が買っているのかな?

CDが売れない ミリオンセラー激減を防げぬ業界の激変(毎日新聞)という記事が掲載されていた。 (<=What's My Sceneさん<=音楽配信メモさん 経由)

この記事で紹介されている、「CDの売上が、97,8年をピークに下がり続け、現在ピーク時の2/3までに鳴っている原因」として、「業界関係者によると、音楽市場を支えてきた若者層の減少が最大要因という。」という部分にだけ突っ込んでおきたい。他にも「???」な内容だらけだとは感じるが、一点集中で(笑)。

我が身を振り返って考えると、どう考えても若年層に属していたときよりも、いわゆる中高年層に属している(はずの)現在の方がレコードを沢山購入している。理由は明らかで、可処分所得の増加とオンラインショッピングの発達のせいだ。特に世界を股に掛けての中古アイテム検索、オークションといった手段の発達が、入手可能アイテムを増やしてくれている。ただし、必然的に中古LP、CD、そして輸入盤の割合も私の場合には増える傾向にある。これはコレクション対象が国内アーティストには限定されていないためである。そもそもが、国内アーティストによるタイトルと、日本以外タイトル数を較べるならば、日本以外タイトルの方が圧倒的に量が多い訳で、均等に買っていくなら洋楽の割合が高くなるのは自然だとも言えるだろう。

ところで、私と同じように、広い範囲でレコードを買い続けている友人は、同年代には結構多い。そしてこれは、要はお金のなかった学生時代にどのような環境で過ごしてきたかによるのではないか、と思えるのだ。

私が意識的に、自ら選択した音楽を聴くようになったのは中学生以降のことだが、1970年代後半のFMラジオでは、新譜が出ればアルバム1枚丸々掛かる番組はしっかり存在していた。また同時に、それなりのキャリアとカタログを持つアーティストの特集番組で、デビューから現在までの代表曲を一挙に聴けるような番組もコンスタントに放送されていた。その上に、コンサートの放送、スタジオライブ番組などが平行して存在していた。もちろん、リクエスト番組もあった。そうした環境では、よく知らないアーティストに触れる機会もあったし、興味を持ったアーティストのレコードをアルバム単位で聴くことも出来た。発売された新譜のどれが自分にとって魅力的か、といった判断をする機会も常に存在していた。これを一言で言うなら、「リスナーとして研鑽を積む環境が整っていた」ということなのだと思う。

そもそも、コンスタントにレコードを買うためには、興味を持っている演奏家のストックが一定量必要である。数百とか数千のオーダーで関心を持っていない限り、毎月買いたいものが沢山あって困る、というようなことにはならないのである。そして、そういう状態にまでリスナーとして育つには、まずは山のようにいろいろなものを耳にする機会が何かしら必要なのだ。もちろん、それは図書館の貸出でもいいし、レンタルでもいい。しかし、出かけることも必要なく、生テープをある程度持っていればいい、というFMエアチェックに勝るソースはなかなかない。

要するに、現在購買層の中心をなしている年齢層というのは、「リスナーとして成長するのに適した環境が存在した時代」に、自由になる時間が豊富にあった若者である、ということではないかと私は考えているのだ。つまり、現在の売上を支えている層というのは、ここ20年くらいの間、要するに同じ人なのではないか、ということなのだ。中高年層の方が、全体としてみればまずまちがいなくリスナーとしてのキャリアは長いだろう。つまり、どこかの時点でリスナーとして経験を積んで来ている可能性が高い。若年層の購買比率が下がってきているというのはある意味当たり前であって、人工構成比が変わってきていることも関係しているはずだ。

音楽業界が配慮すべきことというのは、「業界は、次世代に熱心な購買層となってくれるようなリスナーを生み出しているか?」という点だ。一発狙いのメガヒットだけに飛びつくようなリスナーというのは、普通はレコードを買う習慣のない人がほとんどだろう。もしも現在の若年層がそうした状況になっているのならば、それは業界としてリスナー育成を行っていない証拠だと言えるだろう。

ここ数年、音楽業界は、不振の原因を不正コピーだのネット配信だのレンタルだの還流盤だのと、ほとんど外部要因のせいだと主張してきた。多分本質的な問題はそのあたりには全然なくて、要は新規顧客の開拓に失敗し続けているだけのように私には思える。「現在の優良顧客は、いかにして優良顧客になったのか?」「現在の優良顧客とは誰なのか?」という、商売としては当たり前すぎることを気にも掛けていないのではないか、と心配になってしまうほどである。「若年層の減少」と言ったって、全ての産業が少子化の影響を受けているはずなので、音楽業界だけに限って結果が悪いことの正当な理由にはなるまい。そうやって商売不振の原因を外に求めている間は、順調に業界は縮小し続けるだろう。さっさと原典に戻って、「現時あの優良顧客はどうやって生まれて来たのか?」を真面目に検討し対処すべきだと思う。

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