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2006.02.10

事実か、広報か:還流盤禁止の実態

見つけたのでメモ。
内容の検討はあとで。

中国へ邦楽正規CDの波 逆輸入禁止機に値下げ攻勢(朝日新聞)

(追記)
あとでじっくり考えるためのメモ。

・記事には、上海のものとされるレコード店のJ-POPコーナーの写真がある。これは本当に上海のレコードショップか?

・写真に写っているタイトルは、還流防止対象として税関に受理されたタイトルなのか?
輸入差止申立てに係る対象レコードリスト(日本レコード協会)

・「女子高生の孫●さん(16)」(※●は「さんずい」の右に「けものへん」、その右に「奇」)の「一人っ子の孫さんは、母親から毎月100元のCD代」をもらっているとのこと。これは日本で考えると、どのような生活水準の家庭だと思われるか? 「CD代」が100元ということは、当然それ以外もあると思われる。

・「05年1月の改正著作権法施行で、海外販売用の正規版CDを販売目的で日本に持ち込むことが違法となった」と記事にはあるが、これはやや不正確な気がする。正規版の全てが自動的に法の対象になるわけではないから。

・「中国、香港、台湾で販売されている正規版の邦楽CDはのべ約250タイトルに上る」と記事にはある。しかし、輸入差止申立てに係る対象レコードリストを見れば分かるとおり、輸入禁止対象として受理されたタイトルは116タイトル(2006.02.10現在)である(同一盤で対象国複数のものは1つと数える)。

重複タイトルを別に数えたとして、内訳を国別に見れば、

 インドネシア 2タイトル
 シンガポール 17タイトル
 タイ 13タイトル
 マレーシア 8タイトル
 香港 21タイトル
 台湾 55タイトル
 大韓民国 58タイトル
 中華人民共和国  11タイトル

となっている。

・記事では「中国に対して攻勢」とあるので、中国だけ抜き出してみる。受理済みタイトルを現地発売日順に並べてみる。

SME The Gospellers G10 KSCL-755 2005/1/18
AVT 浜崎あゆみ MY STORY AVCD-17611 2005/2/7
PC w-inds. w-inds.~~THE SYSTEM OF ALIVE PCCA-01824 2005/3/24
PC w-inds. w-inds.~1st message~ PCCA-01622 2005/3/24
PC w-inds. w-inds.~bestracks~ PCCA-02054 2005/3/24
PC w-inds. w-inds.~PRIME OF LIFE~ PCCA-01971 2005/3/24
AVT BoA メリクリ AVCD-30630 2005/3/28
AVT 大塚愛 LOVE JAM AVCD-17538 2005/4/5
SME Asian Kung-Fu Generation ソルファ KSCL-737 2005/7/4
PC w-inds. ageha PCCA-02156 2005/8/18
SME 鳥山雄司 with ロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラ 「世界遺産」組曲 XSCL-10001 2005/9/14

SME 3タイトル、エイベックス(AVT)3タイトル、ポニーキャニオン(PC) 5タイトル。以上で全て。
月別に見れば、昨年の1月に1タイトル、2月に1タイトル、3月に5タイトル、4月に1タイトル、7月に1タイトル、9月に1タイトル。以上で全て。
これが日本企業の攻勢なのか? この程度で?

・記事には「05年に60万枚売れたエイベックスは」という記述がある。この60万枚というのは何を数えた数字なのか? 受理済み3タイトルで60万枚なら結構ヒット作だが・・・・。どうなのだろう?

・記事には「米映画大手ワーナー・ブラザーズは米映画業界で初めて昨夏から正規版を22~28元で発売し」という記述がある。これはDVDのことだと思われる。日本でも廉価DVDは980円とか1500円のタイトルが増えており、それに比べて邦楽新譜CDは3000円と割高である。中国における正規版邦楽CDが18元~28元というのは、DVDと比べてやはり高価に感じられる価格なのだろうか?

・この記事ではとりあえず上海のショップ事情についてのみ書かれているが、上海における価格相場というのは、中国においてはどのような位置づけなのだろうか? 上海の物価は高いのか?、低いのか? なんとなく中国の中でも都会のような気がするが・・・。

私自身、中国事情に詳しくないので、上記のようにいろいろと判断が付かないことが多いのです。
このあたり、情報いただける方がいらっしゃれば助かります。

(追記 その2) 2006.02.11
・写真に写っている、上海のレコード店とされている邦楽コーナーだが、この店はどういう店なのだろう? 果たして、中国では一般的な店舗で、かつこのような店舗は複数存在しているのだろうか?
写真のキャプションは「上海のCD店にはJポップの正規版ソフトがずらりと並ぶ」となっているが、実際には上海にある、Jポップの正規版ソフトがずらりと並んだ珍しいお店だという可能性はないのか?

例えば、東京は西新宿の一角にあるレコード店などで(例えばGarden Shedあたり)に行って棚の写真を撮ったら、ヨーロッパの人がのけぞるような、それはそれは極端な風景になると思うのだが・・・。もちろん、ディスクユニオンのプログレ館でも同じか。

・文中に登場する女子高生だが、その部分の文章をどう理解すべきか?
「 「小皇帝」と呼ばれる一人っ子の孫さんは、母親から毎月100元のCD代をもらい、Jポップを4~5枚買っている。」
 可能性1-彼女は毎月Jポップの正規版CDを4~5枚買っている
 この場合、年に60タイトルは買っている計算になってしまうが、中国では昨年からの1年で、そこまでのタイトルは出ていないはずである。
 可能性2-彼女は毎月CDを4~5枚買っている
 この場合、「CD代100元」を使い果たすには、1枚当たり20元という計算になる。しかしJポップのタイトルはそんなにないのだから、残りは中国の音楽か、もしくは英米その他の洋楽だろう。そもそも中国で売っているCDの平均単価はいくらなのだろう? 邦楽CDの値下げ後18元というのは、どういう価格なのだろうか?
 可能性3-彼女は毎月CDを4~5枚買う音楽ファンだ。そして彼女のコレクションには、これまで購入したJポップのアルバムが4~5枚ある
 これもありそうな解釈だろう。年に60枚くらい買う人で、今までJポップの正規版を5枚くらいは買ったことがある、という場合でも、記事中の文章は成り立つ。
 可能性4-彼女は毎月100元をCD購入に充てており、Jポップも4~5枚買う。ただしそれは正規版ではなく海賊版が多い
 実は記事の文章だけではこの可能性も否定できないのだ。

 「上海の繁華街にあるCD店。女子高生の孫●さん(16)は歌手の大塚愛さんのアルバムを手に取った。「08年まで日本国内頒布禁止」と記載された正規版だ。18元(256円)。8~10元で買える海賊版の2倍だが、「音質が信頼でき、訳詞も正確だから」と話す。」

と、いかにも大塚愛の正規版を買ったように思える文章ではあるが、実際に購入したのかどうかは不明である。

 「8~10元で買える海賊版の2倍だが」、「音質が信頼でき、訳詞も正確だから」、まあそういう値段でもいいんじゃないですか?、私は買いませんが(笑)、というインタビュー内容だったのかも知れないのである。

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