F. Paul WIlson:「Bloodline」は凄まじかった
ここ10年、毎年秋に出版されているシリーズがある。日本では「始末屋ジャック」シリーズとして知られている、F. Paul WilsonのRepairman Jackシリーズである。ジャックは、元々は単発のモダンホラー「The Tomb」(邦題:「マンハッタンの戦慄」)として1984年に発表された作品で登場したヒーローだった。その後、「The Keep」「The Tomb」「The Touch」という独立した3つの単発作品が、実は一つの大きな物語の一部だった・・・という構想の下に3つの作品「Reborn」「Reprisal」「Night World」が書かれ、ジャックは「Night World」で再登場を果たす。それが1992年のことである。
そして1998年、「Legacies」でジャックの物語は再び幕を開けた。「The Tomb」と「Night World」の間には、作中時間として約33ヶ月が経過しているのだが、この間を埋める物語が書き続けられているのである。

Bloodline
この再開シリーズが今年で10作となった。近年の作品ではトップクラスにサスペンス度が高い傑作である。同時に、シリーズ中でもそのおぞましさ、不快さはトップクラスではないかと思う。時に、ジャック・ケッチャムの諸作品に通ずる不快さを感じた。ちなみに、これは誉め言葉である。
今年の新作で、未訳シリーズがまた4作溜まった。翻訳もコンスタントには出ているのだが、新作もコンスタントなので追いついていないのである。そしてこのシリーズ、一端読み始めると止まらないのだ。そして、翻訳が出るのを待っていられなくなるのだ。信じられない人は、「マンハッタンの戦慄」を是非読んでみて欲しい。
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