蟹甲癬じゃなくて蟹工船の方
短篇集「宇宙衛生博覧会」に収められた筒井康隆の短篇「蟹甲癬」を読んだことはあっても、プロレタリア文学の代表作でもある小林多喜二の「蟹工船」を読んだことはない、という方は多かったに違いないのだが、ここへ来て「蟹工船」は文庫が増刷され売れているという。
1953年に製作された映画の上映会を行えば、そちらもまずまず盛況だという。
映画「蟹工船」を見て(JanJan)
思えば、教科書に載っていたような日本文学を、自由な読み方で読めばこりゃすごい!、と楽しめるというのはこの本で紹介された読み方だった気がする。
プロレタリア文学はものすごい (平凡社新書) 荒俣 宏 (著)
ところで、「カラマーゾフの兄弟」が新訳で85万部いったというのも凄いと思う。これは確かに無茶苦茶面白い小説で、「戦争と平和」に比べれば断然読みやすいし、異様な熱気が充満している。そういう意味では異形の小説だが、そもそも有名になるほどの小説はみな異形であるとも考えられるから、まあ気にせず読んで楽しめばよいのだろう。
それにしても、21世紀の現在において「蟹工船」を読んで共感する若者が多いというのも凄い。異形の現実だ、とでもつい言いたくなるが、これが事実は小説より奇なりなのか。
半年位前に神保町で小林多喜二全集なるものを売っていて、確か4000円くらいだったので喜んで買って帰ってきた。実はその時まで全集があるのを知らなかった。外装こそ色が変わっていたが中は大変綺麗だった。こんなに安く買えるのか、とちょっと驚いた。もしかしたら多喜二人気がこれから高まり相場も変わるのだろうか。それとも「蟹工船」以外にまで手を出す人はそれほど生まれないのだろうか。
「多喜二虐殺に匹敵する事件」 蟹工船ブームでマンガも売れる (J-Cast)
蟹工船:今年20万部超す ワーキングプア問題で社会現象(毎日)
80年前のプロレタリア文学「蟹工船」再ブームの背景(ダイヤモンド・オンライン)
すぐに読んでみたくなった方は、白樺文学館・多喜二ライブラリーへどうぞ。
マンガ化された「蟹工船」の無料ダウンロードもあります。
マンガ蟹工船 ダウンロード (PDFファイル 約40MB)
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